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アベンジャーズ二次創作小説「リトル・キャップと」

PIXIVのほうに載せているアベンジャーズほぼオールキャラのギャグとほのぼのを目指してどこにも着地できなかった小説です。
簡単に言うと、ちっちゃくなったキャップとみんなでわちゃわちゃするというお話。トニキャプ風味というよりトニ→キャプっぽいかもだけれどブロマンスな感じで、大した絡みは全くないです。


注意!!
*キャップが子供化しています。
*全体的にキャラがつかみ切れてません。
*微妙にトニキャプ風味な気もします。
*嘘っぱちも多いです。

それでも許せるという方は次追記へ…。


リトル・キャップと


リトル・キャップとお買い物

デパートの子供服売場。男性と子供が並んで歩いているのだが、その様子は酷く険悪だ。いや、男性は楽しげなのだが子供が全く男性になついていない。
年の頃だけは親子に見える二人の回りには幸い人はなく、男性が『警備員さんこの人です』と突き出されることもなさそうだ。
「なぁ、キャプテン。これなんかどうだろうか?今までの服は少し古くさくて目立ちすぎる。普段ならかまわないけれど今のあんたじゃあ目をつけられたら大変だろ?これなんか、見た目相応でなかなかお似合いだ。」
男性、トニー・スタークの軽妙な語り口が冴え渡る。手にした青地のパーカーのフードにはウサギのような耳がついているのが少し滑稽だ。
それを見てやや眉を潜めたのは金髪に青い瞳が特徴的な少年である。身長はスタークの腰より少し上程度。その上、栄養状態が心配になるほど貧弱だ。
さらさらとした金髪を七三に分けている様や整った顔立ちは上品で真面目な印象を与える。不機嫌そうな少年は新聞記事やトニーの批判者に比べれば控えめに『自惚れ屋』と声に出さずに口を動かした。
トニーがそれを見逃すはずもなく、良く動く眉を片方跳ね上げ、覗き込むように視線を合わせた。
「おい、キャプテン。聞いているのか?私はあんたの為を思ってこうして忙しい仕事の合間を縫って買いものに来たんだぞ。感謝なんてしなくてもいいが、せめて返事くらいは欲しいもんだね。」
そう、少年の名はスティーブ・ロジャース。70年前の戦争の英雄にして、異世界の侵略者から地球を救った栄光あるヒーロー。キャプテン・アメリカ、その人なのである。



「…君は、楽しんでるんだろ?」
むっつりと返された声はジリジリとした怒りを含んでいるのに、トニーは全く意に介さない。
なにせ、今のキャプテン・アメリカときたら姿は子供だし、体格はモヤシのよう。紺のベストに薄青のシャツ、折り目のついたハーフパンツにサスペンダーと金持ちのお坊ちゃんよろしい格好である。目の前に置かれたオレンジジュースに口をつけながら細長い脚をぷらぷらさせているのが、更に子供らしく見えた。
「なんで!私が色気もあったもんじゃない男と買いものに来て何が楽しいと言うんだい?」
「さっきからにやにやしていた。僕が子供服売り場の服しか着れないのがそんなに面白いのか!」
トニーは堪えきれずにそこで思いきり噴き出した。腹を抱えて愉快で堪らないと言った様子である。
ここは場所を移したデパート内のカフェ。禁煙席なのはスティーブが喘息持ちだからとトニーがこっそり合わせたのだ。今のスティーブの身の丈に合う服を探してやって来た子供服売り場の近くだ。落ち着いた内装はどこかレトロな雰囲気を漂わせ、スティーブにはしっくりと馴染んでいる。澄んだ青い瞳は全く濁りがないのだが、これでも凄惨な戦争の前線に立ち壮絶な経験をした瞳なのである。
さわっただけで折れてしまいそうな細い首には立てに二つ連なる小さな黒子。キャプテン・アメリカにも、あの逞しいスティーブにも、間の前の小さなか弱いスティーブにも、それはあった。
感慨深くそれを眺めながら、トニーは父の残した記録映像でも彼の黒子が話題に登った事を思い出した。
『スーパーソルジャー実験以前の写真と、装置から生還したロジャース氏の姿を見比べると、とても同一人物とは思えぬ変わりようだった。ただ、首筋にある黒子が彼らの同一性を証明しているし、顔立ちとて…』と。
「…スターク?どうした、どこか具合でも悪いのか?」
ベラベラと喋り続ける声が急にやんだのに気づいたらしいスティーブが心配そうな声をかけてくる。しまった、と話題を戻そうとするが諦めた。
「そういえば忙しいとか言っていたな。ちゃんと休んでいるのか?少し痩せたような気もする。余計なお世話かも知れないが、食事は…」
眉を情けなく下げて心配そうなスティーブを見るのが少しだけ楽しいトニーである。年寄りの小言のような、或いは親の説教のようなそれを聞き流すのは特に苦でもない。彼の頭の中は今己のことで一杯だと考えると少しだけ浮き立った気分になるのが不思議だった。

その日の夕刊に『アイアンマンに隠し子!?お相手は金髪美女か!』などという記事が書かれたのには流石に苦笑するしかなかったが。



リトル・キャップとお出かけ準備



「しかし、難儀な副作用だ。見事に縮んだなぁ。」
「ほんとに。しかも月一なんて、まるでアレみたいね。」
ホークアイことクリント・バートンは眠そうな瞳を細めて、珍しく哀れみの表情を作っている。隣はブラックウィドゥことナターシャ・ロマノフ。普段のクールな印象はどこかへうっちゃって、新品のパーカーのフードを『アレってなんだ?』と不思議がるスティーブに被せることに忙しい。彼女よりもスティーブは格段に小柄で華奢なので、抵抗らしい抵抗も諦めてなすがままだ。彼女がテロンと垂れた兎の耳にやや頬を緩めれば、ぐっと若く、ともすれば少女のようにも見える。
「キャプテン、笑って。」
言われてスティーブは咄嗟に笑顔を作り損ねた。携帯を構えてはしゃぐ彼女は美しいというよりは可愛らしく見える。
バートンの視線には、可哀想にナターシャのオモチャになって、という意味も多分に含まれている。もちろん、スティーブの疑問には誰も答えなかった。
ここはスタークタワー。希代の天才実業家であり、ヒーロー・アイアンマンとして活躍するトニー・スタークの住居兼ラボ兼事務所兼彼が経営する会社の本部でもある。バラバラに散ったヒーロー達も時たまにここに集う。また、怪我の療養などにここを利用するヒーローも多い。
スティーブ・ロジャースもその一人だ。
血清の副作用は意外な所で発揮された。月に一度2~3日の間、子供の姿まで体が逆行してしまうという症状があらわれたのである。
70年前にはなかったことであることから、長きにわたる冷凍状態が起こした何らかの影響のようだが解決法が見つからない。トニー、バナー博士、フューリー配下の化学者も懸命に研究を重ねているものの成果はなかなか現れないのが現状だった。
スタークタワーのほうが科学技術も研究物資も環境も整っているし、バナー博士もいることからとのトニーの申し出を受け、弱体化したスティーブはそのたびに世話になっている。
毎回のようにヒーローやらエージェント達は顔を出し、からかったり、猫可愛がりしたり、同情したりとキャプテンを甘やかすことに余念がないのだった。
「ナターシャ、おしゃれが済んだならそろそろ行こう。ランチがディナーになるぞ。」
サングラス越しに腕時計を覗くバートンは勤務中よりはカジュアルな服装だ。動きやすさを重視してはいるが、町並みに溶け込むある程度の洒落っ気がある。声をかけられたナターシャも然りである。体にフィットしたシックな色合いの衣服が下品ではない程度の色気を纏って美しい。
筋骨逞しい普段の姿でもやや童顔の気のあるスティーブは二人の子供といっても過言ではない年齢にすら見える(ナターシャが着せた兎パーカーのせいもある)。
三人は今から近所の店でランチだ。ついでに、現代のカルチャーやらシステムやらの勉強も兼ねている。
『あー、あー、聞こえるかな?ホークアイにブラックウィドウ。それからキャプテンミニマム。』
突然スピーカーから響いたのは軽口混じりのトニーの声だ。スティーブの眉間にシワが寄るが殴りたい相手はこのビルのどこに居るかも知れないし、今の自分ではたいしたダメージも与えられない。それに、昨日は具合が悪そうにしていたことを思い出す。悔しいが、黙り混むことで遺憾の意を示した。
『おやおや、そのパーカー、随分とお似合いだ。なんなら猫だの犬だののデザインも用意しようか?』
どこかのカメラで監視しているのだろう、笑い混じりのその声に、スティーブはギリギリと歯を食い縛る。
「で?なんか用なのか、スターク。後でキャプテンにコテンパンにされても知らないからな。」
ホークアイが呆れた様子で返す。さりげなく、スティーブをカメラとスピーカーから遠ざけている。
「スターク、用がないならもういくわ。今からランチなの。」
ナターシャがヒールを響かせ先導する。決して『一緒にいかが?』等とは言わない。
『おいおい、ちょっと待て!用ならあるよ。今、迷惑神様兄弟がお出でになった。キャプテンに会いたいそうだぞ?最上階へ。』
三人は複雑な表情で顔を見合わせた。



「なんていう姿なんだ!これがかつて私を打ち負かした男か!?」
嘆かわしい!と頭を抱えたのはスタイリッシュにスーツを着込んだロキだ。兄のソーもあの仰々しい鎧ではなく、カジュアルなジーンズやらTシャツやらで身を固めていた。ロキの趣味らしい。
「あー、ソー?なんで弟君まで連れてきたんだ。あっちで罰を受けているのではなかったか?」
頭が痛そうな顔をしてトニーは米神を指先でトントンとつついている。問われた雷神はあっけらかんとした笑顔を浮かべた。
「もちろん!父からのお叱りはきちんと受けた。今では私の元で働いて貰っている。」
カラリとしたその様に、流石のキャプテンすらも口許をひきつらせていた。ロキ自身は油断ならない目をしてニヤリと口元を綻ばせるだけである。
「それで、ここに来た理由は?」
ナターシャが冷たく問う。バートンの姿が見えないが、彼は天井近くの梁に登って巣籠もりの最中だ。
「キャプテンの体が最近おかしいと聞いてな。もしかしたら戦闘中にチタウリの光線を浴びたせいかもしれないと考えたんだ。だから、ほら。」
そういってソーが机に乗せたのはチタウリの武器のエネルギー源である発光体を詰めた透明なケース。大きさは掌サイズだ。母船が破壊された瞬間に動きを止めたそれらの命の源といってもよい。
「そ、そんなもの持ち込んでも大丈夫なのか?」
スティーブは妖しく輝くそれを見てから低い位置から神々を見上げる。ソーは怪訝な表情で青いパーカーと半ズボン姿の少年のようなキャプテンを見下ろした。脇に手を差し入れて持ち上げる。同じ目線まで上げてから漸く首を傾げた。
「…もしかして、キャプテンか?」
こてん、と首を傾げるとどこか大型犬を思わせるソーである。体の不具合の内容までは知らなかった上に、さっきのロキの発言も聞いていなかったらしい。流石としか言いようがない。
「…ああ、久し振り。ソー。」
「随分小さくなったな。俺と変わらない程の体格だったのに。ミッドガーディアンは伸びたり縮んだりするのか?」
額がくっつきそうなほどに顔を近づけている。そこでゴホンと咳払いが響いた。
トニーである。
「で、そんなもの持ち込んでも大丈夫なのか?」
ストンと、スティーブの体が落とされて、ソーが顔を上げる。
「この程度では奴等の武器すら満足には動かないのだそうだ。」
「ん、なるほど。では、ロキがいる訳は?おい、誰かバートンを止めろ。壁に穴を開けられては困る。」
ナターシャがバートンに向けて手をふる。残念そうにつがえた矢を下ろすのを彼女も一見クールだが舌打ちしそうな表情で見ていた。
ロキが細い顎をしゃくって、ケースを示す。
「それの扱いなら、私のほうが詳しいからな。だから情報提供と…」
ちらり、とスティーブを見て手を翳す。
瞬間身構えたスティーブだったが、今の体では避けきれない。瞳を閉じて歯を食い縛った。
しかし、魔法は全く予期しない形で現れる。パーカーや半ズボンがすぅ、と形を変え小さいながら大人の物と変わらないジーンズにジャケットと言った現代風の姿に変わっていた。
「コーディネートを少々、な。」
「あー!」
急に声を上げたトニーに驚いたロキとスティーブが怪訝な視線を投げ掛ける。
「せっかく、選んだパーカーだったのに。似合ってたんだぞ?」
トニー以外の全員が薄ら冷めた視線を注いだのは言うまでもない。



「みんな、久しぶり。キャプテンのサンプルが欲しくて来たんだけど…どうしたの、トニーにバートン。凄い殺気だよ?ああ、ソーも来てたんだね。いらっしゃい。って、ロキ?」
のほほん、と効果音がつきそうなほどの長閑な表情で修羅場を迎えつつある一室に立ち入ったバナー博士の表情が強ばった。かつての宿敵にして、執拗にハルクの出現を促した忌々しい相手のお出ましとあれば仕方がないだろう。
「バナー博士!ああ、よかった、検査なら他の部屋でお願いします。」
ぴょんこぴょんこと跳ねているのは大人びた服装のスティーブ少年だ。確かに良く似合っているのだが、どこか背伸びをしすぎた子供の感じがぬぐえない。
「えっと、キャプテン。どうしたんだい?今日は随分とおめかしなんだね。」
いつもはお坊ちゃんみたいな正装から、カラフルな衣服まで、何処をどうしてもトニープロデュースの子供服なのに今日に限って大人のミニチュア版だ。
「あー、えーと、その、」
スティーブの言いにくそうな様子に、んん?と首を傾げる博士をみとめて、トニーがいい募る。
「やあ、ブルース!それにはふかーい訳がある。君だってキャプテンが子供服を着てるのを孫を見るような顔で喜んでいただろう。それなのにロキの奴め、全く美学がわかってない!なんということだ!」
まるで、シェークスピアの悲劇の主役だとでも言わんばかりの演技過剰にバナー博士は苦笑する。ソーまでもが馬鹿を憐れむような視線をトニーに向けていたのも印象的だ。
博士としては、キャプテンが子供服だろうが、ピシリと決めていようが正直なところ良くわからない。確かに可愛いな、だの似合ってるなという感想は真実だけれど、流行には疎いのだ。トニーがはしゃぐのに話を会わせていたらいつの間にかおじいさん扱いされていたらしい。
「あ、ああー、うん、そうだね。じゃあ、キャップ。検査室で血液検査とか、CTとかとらせてもらうから、来てくれるかな?」
「よろこんで!」
ぴょん、と飛び上がって博士の後ろをちょこちょこついて出て行くキャップに、皆一様に妙に生温い表情を浮かべていた。
「…ロキよ、俺も何となく鉄の男の言うことがわかった気がする。」
「ああ、兄上。私もそう思う。後で衣装をなおしておこう。」
お祖父ちゃんとお祖父ちゃん子な孫のような微笑ましい光景である。神兄弟は神妙に頷きあっていた。
「…コールソンあたりに言ったら怖そうだな。」
「ええ、そうね。高性能の録画機器を放さなくなりそう。」
いつのまにやら巣立ちしたバートンとナターシャは筋金入りのキャップファンを思って溜め息をついた。彼のことだから、孫が可愛くて仕方ない馬鹿祖父よろしく、カメラを回しまくるだろう。
トニーはと言えば、監視カメラの画像を絶対にコールソンに渡さないようにジャーヴィスに指令を出している。『プロテクトを強化しろ。逆に相手の端末のデータを焼ききるくらいの奴を仕掛けておけ。いや、相手の組織壊滅するくらいのウィルスを使え。』などと物騒な事が聞こえてくる。エージェント二人は後でコールソンはじめとする組織全体に、スタークタワーに手を出すなら命懸けで行けと通達を出す決意をした。



「少しちくっとするよ。」
「大丈夫ですよ、博士。流石に泣いたりはしませんから。」
さらけ出した腕は、乱暴に掴めば折れてしまうような繊細さだ。おまけに、細すぎるせいで血管を探すのにも苦労する。ブルースは半ば本気で手の甲から採血するか思案した程だ。
生白い肌を貫く銀の針。見た目は子供でも中身は屈強な戦士だけあって、眉一つしかめない。
「いや、すまない。インドでは子供をみることも多かったからね。つい癖で。」
衛生面でも、栄養面でも、全てが不足しているあの国を懐かしく思う事もある。ナターシャに捕まる前に診ていた彼らは元気になっただろうか。ブルースは眼前のあまり健康体とは言えないスティーブを複雑な顔で見ていた。
「貴方は名医です。全然痛くない。」
「ありがとう。」
少しこそばゆい気持ちになりながら笑うと、スティーブもニッコリ笑う。汚れのない表情だが、全く屈託のない子供のそれではない。
既に他の検査を終えたので、ブルースはホットミルクを入れて渡した。
「コーヒーじゃ無いんですね。」
「夜眠れなくならないかい?」
「子供じゃないんですから。」
スティーブはくすくす笑ってミルクを啜った。
『バナー博士。トニー様からの通信です。』
ジャーヴィスの穏やかな声が響き、スティーブがキョロキョロと辺りを見回す。
『ロジャース様、私に姿はありません。』
ブルースも思わず笑ってしまうと、スティーブは頬を染めた。それでも気になるらしく、視線がやや泳いでいる。
ややあってジャーヴィスの声がトニーの声に切り替わる。
『検査は終わったかい?こっちもロキから色々聞き終わった所だ。揃って遅めの昼飯を食いに行こうじゃないか、って、ソー!マイクを取るな!おい、バートン!ホントにロキに矢を向けるのは止めろ!爆破なんかされたら堪らんからな!修理が終わったばかりなんだぞ!!』
返事をする間もなくブツッと途切れた通信に一瞬顔を見合わせた二人だったが、カップを置いた。向かう先はタワーの最上階である。



リトル・キャップとお出かけ



ロキが再び服をパーカーに戻してしまったことも手伝って、大人のなかに一人子供が混じるというなんだか奇妙な集団が出来上がった。
この間シャワルマを食べたメンバー+ロキと言った大人数だし、それぞれが個性的過ぎることも手伝ってかなり目立つ。
「あの、ロキ。僕の服、他のものに変えられないかな?目立ってしまうよ。」
恥ずかしそうにもじもじと目を伏せる様は人見知りがちの子供のようである。ロキは珍しいものをみるようにそれを眺めている。なにせアスガルドの子供らはソーを見れば分かりやすいが人見知りなんてしない。なんだか新鮮な気分だった。
「変えられるには変えられるが、どんなのがいいんだ?」
興味のままに問えば、袖を引かれる。屈めと言うことだろうと察して頭を下げれば耳に口を寄せて小声でリクエストしてくる。きっと、スタークに見つかると騒がれると思ったのだろう。
なんだか内緒話をしているようでほんの少しだけ子供時代を懐かしく思う。兄の内緒話は声がでかすぎて、耳が痛くなるほどだったと思いいたって、やや眉をひそめた。
曰く、もう少しシックでおとなしいデザインがいいとの事だ。確かに、鮮やかな青はやや目に痛いかもしれない。
ロキは辺りを見回す。どうやらコンサートにでも行くらしい親子連れが目に留まる。両親につれられた姉弟らしき子供らがはしゃいでいた。あれならよかろう、と人目がないのを確認してから手を翳した。
一瞬目を閉じていたスティーブに、ロキの声がかかる。終わったのかと目を開けるが、何だか違和感があった。足がスースーする。
「…キャプテン…それ、どうしたの?」
ナターシャがふとふりかえって目を見開く。動揺を隠しきれない素の表情を見るのは初めてだとスティーブは思った。
「あ、ロキに変えてもらったんだ。アレだと目立つから。どうなった?自分じゃよく見えなくて。」
首を傾げたスティーブに、すかさず携帯のカメラを向けるナターシャ。
「笑って、キャプテン。」
唐突な申し出だったが、70年前に毎日のようにファンサービスで写真を撮っていたこともあり、今度こそ笑顔を見せる。
ピロリーンと電子音が鳴って、他のメンバーも何事かと振り向く。が、皆一様に目を見開いてポカンとしているのでスティーブ自身が一番驚いてしまった。
恐る恐る細い首を巡らせるとおあつらえ向きのショーウィンドーに酷く細身の自分が映っている。ワインのような深い赤のワンピースを着て。ボレロを羽織って上品に、さらに黒のストッキングが素肌の露出を避けている。短い金髪にはカチューシャに付いたリボン。     
スティーブは悲鳴を上げそうになった。
「ミッドガーディアンは衣服が実に多様だな。」
ついでにソーの純粋すぎるコメントに涙目になった。ばっ、とロキをふりかえれば何処か満足げに頷いている。
「ロキ!な、ななななんで、こんなっ!女性の服じゃないかぁ!!」
掴みかかろうとするが、靴がヒールになっていて上手く動けない。挙げ句、バランスを崩して咄嗟にロキに支えられた。
「いや、すまない。間違えた。ミッドガルドの文化にはまだ詳しくなくてね。」
殊勝な物言いだが、顔はニヤリと笑っている。あー、確信犯だわコイツとソー以外の全員が呆れるほどの小気味良さだ。
ヒールに慣れないスティーブはロキの袖を掴んで恐る恐る立っている。本人は睨んでいるつもりだが、泣きそうな顔でふるふる震えながら見上げてくる顔は、なんというか。
ロキは思わず目を反らす。スゴい勢いだ。耳が染まっているのを見てソーとキャプテン以外の全員が再び呆れた。
コイツ、ロリコンか。
「キャプテン、随分歩き難そうだな。私がエスコートしてやろうか?小さくても、レディには優しくと教育されているんだ。」
ニヤニヤしながらトニーが恭しく手を差しのべるのをペチりとはたき落とすスティーブ。しかし、またもやバランスを崩してその手にすがり付く羽目になった。最早半泣きだ。
「おやおや、どうしたんだい?積極的だな。」
更に笑みを深くしたと思ったら、スティーブを楽々とお姫さま抱っこしてしまう。細身の体は驚く程軽く、それが庇護欲を掻き立てた。
「ちょっと!スターク、下ろしてくれ!」
「だって、自分で歩けないだろう。チワワみたいに震えてたじゃないか。じーさん、ハイヒールなんて履いたことないだろ。」
じゃあ、お前は履いたことあるのかよ、というツッコミは取り合えず置いておく。
バタバタと暴れるが軽いからどうと言うことはない。トニーとて普段から鍛えているから、このくらいでは怯まない。
「スカートが捲れるぞ。」
そう囁けば、びたりと動きを止める。
「大人げないなあ。」
呆れた様子のバナー博士。ひげ面の中年男と(女装ではあるが)少女の取り合わせは半ば犯罪だ。それを見つつも、子供がじゃれあってるみたいだととてつもなくおおらかな感想を漏らす。インドに行くと人生観が変わるというのは本当らしい。
「スターク、パパラッチにすっぱぬかれて『アイアンマンにペド疑惑』なんて記事にされても知らないぞ。」
と冷たい表情のバートン。とは言いつつも助ける気はないらしい。この社長が臍を曲げると、巧みな弁舌の集中砲火を浴びせられるのは目に見えている。
「ロキ、ロキ、どうしたんだ?さっきから顔が赤い。」
空気はあまり読まない方の雷神は頻りと顔を覆ってだんまりを決め込む弟を心配している。当の弟は『萌え』と言うものの芽生えに戸惑うばかりである。新しい扉を危うく開きかけたのだから無理もない。
ナターシャはこっそりそのようすを監察し『次回ロキにかまをかけるときは上目遣いの涙目で』と頭の片隅にメモした。恐らく効果は抜群だろう。



リトル・キャップとお食事



やって来たのは近所のファミリーレストラン。スティーブの衣服はもとのパーカーに戻っている。大富豪が来るにはあまりに貧相だが、スティーブはどうやら楽しそうだ。何せ、こんなに多種多様な料理を短時間で提供できる店など70年前は無かったのだ。
「こんなに多くの料理の下拵えをしておくのは大変だろうに、価格は良心的なんだな。」
物価の変動には馴染んだスティーブだが、飽食のこの時代には馴染めていないようである。
「あらかじめ他のところで下拵えした料理を冷凍したり、冷蔵したりして保存しておくんだよ。それを暖めて盛り付けて、最低限の手間だけかけて出せるように工夫されているんだ。」
バナー博士の説明にスティーブは感嘆の声を漏らした。
「まぁ、味は保証できないがね。あと、カロリーは総じて高めだ。若者向けのメニューだな。」
トニーの含みを持たせた一言に、スティーブは眉を寄せたが、色とりどりのメニューに興味を引かれたらしくそちらに集中していた。
「このドリンクバーとかサラダバーというのは?」
「一定の料金を追加すると、用意してある数種類のドリンクから好きなのを選んで飲める。サラダバーも似たようなもんだ。どっちも自分で取りに行かなきゃならないがな。」
バートンが言えば感心したように頷いている。
「凄いシステムだ。食料事情も全然違うんだな。」
「キャプテンの時代はどんな感じだったの?」
ナターシャが小首を傾げるので、スティーブはやや考えてから答えた。
「戦時中だったから、食べられる物ならなんでも食べていたよ。雑草とかも食べた。」
「だからそんなに貧弱な体つきなのか。」
軽口を叩くトニーを無視して、不味いものでも食べたようなソーに笑いかける。
「そんなに悪いものでもなかったよ。それに、これは戦場での話だから。」
ほんの少し、昔を懐かしむように目を細める。あまりに見た目とアンバランスで、何処か危うい。
「そう言えば、エキスポではポップコーンなんかも食べたものだったよ。丁度その日はハワード・スタークの発明品が紹介されていて…」
普段の険悪な雰囲気はどこへやら、スティーブは幼い子供を見るような瞳でトニーを見た。
「スタークは、数年後には車が空を飛ぶんだって。ふふ、これは70年経っても変わってなかったね。ヒーローは空を飛んでいるけれど。」
流石にこれに返る軽口はなく、トニーは困ったような、怒ったようななんとも言えない居心地の悪そうな表情をしていた。
そこへやって来た金髪のウェイトレスはスティーブを何やら不思議そうな顔で見つめていた。



流れるように兄の食物を注文しまくるロキに、ウェイトレスはやや驚いた様子だった。何せ、片っ端からという表現が相応しいほどのたのみっぷりである。フードファイターでもノックアウトだ。スティーブは先程渡されたお子様メニューとにらめっこしていたが、好みのものはなかったらしい。選んだのは一番カロリーが低そうな和風のリゾットだった。めいめい好みの物を選んだが、トニーは抜きん出て体に悪そうな物を選んでいた。
「キャプテン、それが何なのかわかってるのか?」
トニーが言えばスティーブは素直に首を傾げる。
「正直、何だかわからないんだ。あまり、重いものを食べると、今は腹を下しそうだから。」
照れたように笑うので、トニーも笑って答える。
「なら、正解だ。それは日本の料理をアレンジしたものだ。病気をしたときなどに弱った胃腸を労る料理だよ。だが、なかなか工夫が凝らされていて旨い。」
珍しく気遣うような言葉と柔らかい表情にスティーブも安心したようだった。
「所で、ロキ。何を頼むんだ?」
トニーがふと問えば、困ったようにメニューに目をせかせか通しはじめる。ロキが頼みまくっていたのは全てソーの分だ。高カロリーなものが多い。スティーブをちらりと見てロキはスティーブと同じものを注文したのだった。どうやら、兄の世話に忙しくてそれどころではなかったらしい。
「ロキはお兄さん思いだなぁ。」
スティーブが微笑むと、ロキの顔が真っ赤に染まる。
「べ、別に兄上のことなんてどうとも思ってない!」
「だとさ、ソー。」
「ロキ!共に学び、遊んだ仲じゃないか!なぜそんな事を…」
「違う!兄上違うから落ち着いて!」
意地悪くソーに水を向けたトニーは、ニヤニヤしながら焦るロキを眺めていた。本当にいい根性をしている。
この迷惑神様兄弟と言うものは、それこそ数千歳という年を重ねているだろうに、こどもっぽい所が何時までも抜けない。ついでに言うならトニーもしかりだ。
実年齢は90過ぎながら、人生経験は24年そこそこのスティーブすら、彼等に比べると大人びて見える時もあるほどだ。
「頭良いくせにちょっかいの出しかたは中坊レベルだな。」
「バートン、あんまり言うと仕返しに機密情報ハッキングされるわよ。」
エージェント達も珍しく朗らかに笑っている。会話の内容は剣呑だが。

その後、何時も波瀾万丈のこのメンバーにしては穏やかな食事風景となった。机の上にところ狭しと並べられた料理を、ソーが次々平らげて行く様は圧巻で、何と勘違いされたかサインを求められていた。(「次のフードファイト、楽しみにしてます!頑張って下さいね!」と熱く語られて、ソーは凛々しい眉毛をハの字にして困っていた。ロキが丁重にお帰り願って、事なきを得た。)『次はフォンデュにしようか?』とトニーに言われて、スティーブが顔を真っ赤にしてうつ向いてしまったというハプニングもあったが、スーツを着なくてはならない事態は避けられた。



リトル・キャップと空中遊覧



ソーとロキはアスガルドへ帰還、バートンとナターシャは任務へ出掛け、トニーとスティーブ、バナー博士はスタークタワーに帰ってきた。トニーとバナー博士がそれぞれの作業を自室に籠ってする間、スティーブも現代に慣れる為にジャーヴィス指導のもとインターネットの使い方を勉強していた。たまに出てくる卑猥な画像にスティーブが悲鳴を上げ、ジャーヴィスがフィルタリングなどで閲覧データに制限をかけているうちに日はとっぷりと暮れていた。
ガラス張りの眺望が楽しめる最上階にスティーブが出てきたころには空は真っ暗に染まっていたが星は見えなかった。70年前はもっと空は高くて、夜には一杯の星が広がっていた気もする。特に明かりの少ない戦場では。
その代わり、地上には人工的な明かりがキラキラ瞬いていた。
ここからは、それが良く見える。
「星の海みたいだ。スタークはスーツを着ればガラス越しじゃなくこれが見れるんだものな。」
羨ましいとは言わなかったが、ぴったりと窓ガラスに張り付いて地上を見下ろす様子はありありとその感想が滲んでいた。
「今度、上空に連れていってもらったら?スーツを着ればキャップを持ち上げることぐらい平気だろうし。」
ブルースはその素直な仕種に微笑んで言った。
スティーブはサイズが大きなパジャマを引き摺ってまくりあげ、それでも引き摺っているのだ。ぶかぶかの服で動きにくそうにしているのも愛嬌がある。
彼が逆行の症状を起こして明日で3日目。そろそろ体が元に戻っても不思議はない時期だ。服が弾けとび、戻った時には全裸だという状況は避けたいが為の措置だ。
「それも面白そうだが、暴れたら落とすからな。あんなにでかくちゃバランスがとれん。」
くくく、と笑うトニーに、スティーブは顔をしかめる。暫しの間を置いてから『その通りだな、遠慮しておくよ』と答えた。
「だが、」
トニーはスティーブの前にしゃがみ視線をあわせると、悪戯を思い付いた子供のような表情で笑った。
「今なら大丈夫。キャップ、ルビーの靴は用意出来ないが、空飛ぶ魔法くらいなら披露できるぞ。」
青く澄んだ瞳を輝かせたスティーブが何かを言う前に、毛布をぐるぐると巻き付けて、横抱きにする。あわあわ焦るスティーブだったが、それじゃ歩きにくいだろ、と言われて大人しくなった。
「ブルースはどうする?」
「私は遠慮するよ。でも上空は寒いから気を付けてね。風邪をひくとたいへんだから。」
年長者のおおらかな笑顔で、二人を見守る博士だった。

びょうと荒ぶ夜風になぶられて、スティーブの毛布がはためいている。環状の着脱装置に囲まれたトニーはカシャカシャと金属音を響かせて、アイアンマンスーツを装着を完了した。スティーブは青い瞳を夜景に負けぬほど輝かせて、その様子に見いっていた。
「凄い!流れるように装着するんだな。カッコいい!!」
そう言えば、スーツを着ろと言われた事は幾度もあれど、実際着替える場面を見せたことはなかった。ここまで素直に喜ばれると、いつもの嫌味もなりを潜めてしまうものだ(『キャプテンは男の着替えにも興味がおありか?』くらいは言うつもりだった)。
見た目相応に頬を紅潮させて拍手などするものだから、なんとも照れ臭い。トニーは緩みそうになる口許を必死で引き締めた。マスクに隠れてスティーブには見えないのだが。
「ああ、だが初めてスーツを着たときなんか、どう設計を間違えたかなかなか脱げなくて困ったもんだよ。」
「君でも失敗する事があるんだな。」
ぱちくりと目を瞬かせるスティーブに、今度は我慢を止めて笑い声を立てるトニー。ついでにマスクのフロントを跳ね上げて、直に目を合わせた。
「はは、そりゃそうだ。私だって人間さ。いくらイケメンで天才で大富豪だとしてもね。発明はtry&errorの繰り返しだ。」
「ははっ!自分でそこまで言うのか。」
二人揃って子供のように笑い声を立てた。暫くそうしていたが、ふとスティーブの表情に郷愁染みたものが広がる。
「どうした?」
「いや、こんなに笑うのはいつぶりかと思って。それから、スターク、いやハワードのことも少し思い出していた。」
最後にバッキーと腹を抱える程笑ったのはいつだったろう?彼が死んだのは自分にとっては、ついこのあいだの事なのに。
それから、ハワード。ヴィヴラニウムの盾をつくってもらったあの日、額が切れていたのが目についた。あれは、彼の息子と同じようにtry&errorを繰り返した結果だったんだろうか?
曖昧に微笑むその顔は何処か疲れたような色をしていた。それが気にくわなくて、トニーはガシャンとマスクを下ろした。そして、何処でもない虚空を眺めているスティーブをタックルする勢いで抱き上げた。と同時に足の裏の推進機が火を吹く。
「うわああっ!スターク!!」
「口を閉じてろ!舌噛むぞ!」
はっはっは!と悪人のような笑い声と奇声を発しながら、上空高く舞い上がる。それでもスピードは普段より抑えて、スティーブの体をしっかり抱き止めてではあるが。
スティーブは掠れた悲鳴を始めのうちは上げていたが、その内それに笑い声が混じり始めた。
「うわあ、あははっ、君はほんとに天才だ!」
「何を今更!前から言ってるだろう?」
ごうごうと唸る風に負けないように、スティーブは声を張り上げた。
風になったよう、とはきっとこれを言うんだ、とスティーブは感じていた。バッキーと乗ったジェットコースターがオモチャに見える。あのときは吐いてしまったが、今回は大丈夫だろうか?
足の下には星の海より濃厚な宝石箱のような灯りが広がっている。それが、風で潤んだ瞳にキラキラと何倍にも輝いて見えた。
「どうだ、キャプテン!100万ドルなんて安いこと言わないでくれよ!金じゃ買えない夜景だ!!」
「ああ、その通りだ!君しか、こんな景色は見れない!これを、守った。皆で守ったんだ…」
最期は消え入るような声だった。スティーブとしてはトニーに聞こえなくとも構わなかったし、聞こえないほうが良いとも思った。恐らく、トニーは顔をしかめるだけだろうから。
未だに70年前が恋しい。果たせなかった約束を思って胸が焼きこがれるような思いは消えない。親友を亡くしたあの日の無力感は生々しく傷を残している。
それでも、現代に甦った意味がほんの少しだけ生まれた気がした。もしかしたら、スティーブの居場所なんか無い継ぎ接ぎだらけの平和ボケした世界だったとしても、好きになれる気がした。
性能の良いスーツのマイクは轟音の中でもスティーブの声を聞き漏らさなかった。ついでに、瞳から次々と風で浚われていく涙もしかと見えているが、気づかないふりをした。
天才イケメン大富豪のトニーに情けない失敗があるように、正義のスーパーソルジャーにだって女々しく何かにすがる日があったって良い。
「じゃあ、これから自由の女神まで飛んで見ようか!?観光客にピースサインでもしてやれよ、キャプテン!」
「はははっ!君が人さらいでもしたのかと、皆びっくりするだろうね!!」

ドーナツ屋の看板の穴を物凄いスピードでくぐり抜けたり、自由の女神の頭の上を旋回したり、海上に出て飛沫を上げながら海面すれすれを飛行し危うく舟とぶつかりそうになったり、二人は夜更けまで様々なところを飛び回った。
『虹の彼方に』をBGMに帰還した時にはスティーブの涙はすっかり乾いていた。二人は悪ガキが浮かべるような悪戯な笑顔に高い笑い声を乗せてバナー博士の待つタワーに雪崩れ込んだ。


リトル・キャップと後日談



翌日、体が元に戻ったスティーブは、目尻を少しだけ赤くしてシールド本部に顔を出した。
「キャップ!どうしたんです?なにかスタークに言われましたか?」
 筋金入りのキャップファンことコールソンとしては気にならないはずもない。しかし、年甲斐もなく空を飛びまわり、昔を思い出して涙を流し、割と人を驚かせるようなことをしでかしたなど正直に答えられるはずもなかった。
「…いや、ちょっと…ね。」
 ちょっとした情けなさで頬を紅くし、目をそらしたスティーブの様子にコールソンは普段穏やかな表情をこわばらせた。
「…ちょっと失礼しますね。お会いできてよかった。」
 無理やり貼り付けた笑みにどこか違和感を覚えたスティーブだったが、特には気に留めなかった。エージェントというものはハードな仕事なのだろうと認識している。きっと重要な仕事で疲れているんだろうな、と思う。
 去ってゆく背中に鬼気迫るものを感じ取り、心の中でエールを送った。
 


数時間後、有無を言わせずコールソンがスタークタワーに討ち入りを仕掛けたことは、シールドの中で未だに語り継がれている伝説だ。
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